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(相変わらずここは人気がおおいなぁ。しかもカップルやらナンパ野郎とか)
夜間の新宿駅前だから人が多い。特にナンパをしようとするやからは夜間に沢山いる。
(まぁ、俺にはどうでもいいが)
一真がここに来たのは出かけた帰りに小腹がすいたので降りただけだ。電車代は定期の為にいくらでも乗り降りできる。
(何食うかな)
適当に食べる店を探した時。ふと一真の耳にパトカーのサイレンが聞こえる。
(またか)
今日だけでもう五度以上聞いた。東京の中パトカーのサイレンなど珍しくもないが。五度聞く事はなかなか無い。
サイレンのなる方角に一真は目をやった。その時僅か5m先でこっちをむいている視線に彼は気がついた。
(何処かで見た事が・・・)
「あ・・・」
数秒の時間を要したがそれが誰かきづいた。
一真がきづいた事に気づいて彼女は顔をしかめる。
「久しぶり」
一真は彼女―――岸里裕菜に声をかけた。「へぇ、久しぶり。覚えてくれてたんだ。たかが、三日つきあっただけの私を」
皮肉を精一杯込めた裕菜からの声に一真は冷や汗を流す。
(やっぱ、まだおこってるな)
恨まれる思いは十分にある。一方的に悪い事を自覚してる。
一真と裕菜は中学までは幼馴染みというか腐れ縁だ。
簡単に説明するなら、小学生の四年の頃を抜かし。中学三年の夏まで一緒のクラス。家庭内の事情で連絡出来ずに一真が引っ越した。ちなみにその三日前に付き合いはじめたのだから間が悪かった。
「少なくても忘れた事はなかった」
正真証明の事実だ。一真はずっと心残だった。
「へー。二度しかこなかった男がよく言う」
裕菜は冷ややかな視線をなおも浴びせ続けた。
「わるい」
「あぁ、もういいわよ」
裕菜は頭に手を当てて苛立ったように話をきった。
黙っていなくなったのは連絡する余裕がなかったのも知ってるし。二回しか来なかったのも自分のせいだった。何しろ会いにきた途端話も聞かずにパイプ椅子をなげつけた。しかも、全力でだ。他にも色々なげつけた後に一方的にドアをして鍵を閉める。それを二回。自分でも話あえる状態でなかったのは自覚してた。
「とりあえずご飯でも食べようか。勿論あなたの奢りで」
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