1人が本棚に入れています
本棚に追加
松浦の携帯が赤外線受信を完了した瞬間、見計らったかのように着信音が響いた。
「ちょっとごめんな、オカンから電話」
バツの悪そうな顔をする松浦に
美由紀は目で、ドーゾと促した。
「あぁ、うん。うん。」
と相づちをうつ松浦だが、電話口から漏れ聞こえる声は、大層ご立腹のようで。
「ごめん!
オカンばり怒ってるから帰らなきゃやばい
ほんとは家まで送りたかったんだけど…ほんとごめん!
俺のことはこれから宏樹って呼んで?」
「うんっ
気をつけて帰ってね、宏樹くん」
くん付けに少し不服そうな顔をしたものの、ニカッと笑って
「ばいばい、美由紀」
と言うと、宏樹は颯爽と帰っていった。
_
最初のコメントを投稿しよう!