第1章

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「っ!!椎名さんっ!!」 駅の方向へ歩き出して数十秒。 名前を呼ばれて振り返ると、そこには同じクラスの、えーっと…… 「…松浦くん?」 走ってきたのか彼は息を切らしていた。 「えっと…これ」 そういって差し出したのは美由紀のケータイ。 「えっ私ケータイ忘れてた!?わざわざありがと」 「うん。岡本が気づいてさ。」 岡本っていうのは奈緒美の名字。
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