はじまりの話。

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「ま、た、な、の、か!!?」 項垂れる私の肩を叩き『無理もない』とでも言って励ましてくれる奴がどこかに居て欲しいものだ。 晩婚化の進んだ日本では珍しくもないだろうが、37歳の独り身の男が部屋の前で立ちすくんでいるわけだ。 そんな寂しい私を出迎えてくれたのは大学時代の親友でも、ましてやヨリを戻そうと言ってくれる彼女でもなかった。 郵便受けいっぱいに詰まるソレは、私の最大の悩み事であって、恐怖と怒りの対象なのだ。 「いつ、どこで、こんな写真を.....?!」 わなわなと震える手にくしゃりと握られた写真には、いつも私自身が笑っていた。 .
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