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しばしの間、ユリは考えた。
こちらが雇ったとはいえ、土下座までしたレンの意志を無碍にするわけにはいかないと。
ユリはレンの中に、曲げられない確かな強い覚悟を察し、
「それ、綺麗なんでしょうね」
申し出を承認。
「大丈夫です。…………それに元々、これは『服』ではないので…………」
「最後の方が聞き取れなかったんだけど、なにか言った?」
「いえいえ何も言ってません!」
「そう…………ならいいわ」
(危ない危ない。思わず口が滑ってしまうところだった)
意味深な台詞を零してしまったレンは一人静かに、注意しようと心に誓うのであった。
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