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「見兼ねた祖父が僕の影武者を立てて、僕の顔がバレないように仕向けてくれたんだ。祖父は僕自身を見てくれるパートナーを探せって言ったんだ…けどいつも…」
ああ、パーティーのときに話したあれか。
みんな御曹子と言う響きに目が眩むのか…
「だけど、君は違った。」
穏やかだった顔はいつの間にか今にも泣き出しそうな顔になっていた。
「嬉しい、なんて言葉で言い表せないくらい僕は…っ」
ついに彼の目から涙が流れた。
彼はスーツの袖で自身の涙をグイッと拭い、また焦点をアタシに当てる。
「……気付いたら、たった数十分だったけど…君に惹かれてた。君を好きになってた」
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