鳥籠

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影は会場を後にし、人気の無い中庭へと向かっていた しかし、不思議なことに誰もその姿には気付いてないようである 招待客やテーブルの合間に灰色のマントが見えるだけで、イリス自身もその後を目で追うのが精一杯であった 男性らしき影が中庭へと出て行ったのを認めるなり、イリスは引き返し、従業員用の勝手口から中庭へと向かった 会場を横断するにも人が多過ぎる 屋敷の一人娘である自分が、彼らの横を挨拶も無しに通り抜けるというわけにはいかない 何故そうまでして彼を追っているのか その答えはまだ出ていなかったが、それでも絶対にここで諦めてはならない そんな確信のようなものがイリスの中にはあった
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