待たされる者、達《双子》

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「隼人ー」 「んー?」 学校の屋上 昼休みもとっくに終わって、午後の授業め始まっているというのに 雑誌をパラパラ捲る竜の背にもたれながらプカプカとタバコの煙をくゆらす隼人。 そんな隼人に竜が声をかける。 「またカズヤに怒られるよ」 「んー?なにが~?」 「んんっ『学生のくせにタバコなんか吸ってんな!ちゃんと自分で稼げるようになってから吸え。そんなもん!』ってさ」 「あははっ、うめぇ。竜、上手いねカズヤのモノマネ」 ケラケラと口を大きく開けて隼人が笑う 「笑ってんなよ。ってか臭い移るから近くで吸うなよ」 「あれぇ~、竜ちゃんはママが怖いんでちゅかぁ~?」 「っバカ、ふざけんなって」 体重をかけてくる背中に肘鉄を入れる。 「いててっ。…でもさぁ、最近言わないんだよねぇ」 「は?何?」 「んー、カズヤさ。最近言わないの…『学生のくせにタバコなんか吸ってんなよ!』ってさ」 「ブフッ、似てねぇ~。…って、え?そうなの?」 「そうなの」 「え?だって、毎日毎日鬼みたいに言ってたじゃん」 「そ。なのにさぁ、最近言わねんだよね~」 「ふ~ん、言わないんだぁ」 隼人の頭上で形を変える煙を目で追いながら、2人は午後の授業はかったるいからもう帰っちゃおうかなぁ…なんて不謹慎なことを考えた。
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