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竜はカズヤ用の茶わんと箸を用意し、ラップのかかった皿をレンジに入れる。
「ありがと、竜」
礼を言って寝室に消えたカズヤを見送り、隼人に目配せをする。
隼人はそそくさと、さっきまで吸っていた煙草の吸殻を証拠隠滅とばかりにシンクで水につけ、ダストボックスに捨てた。
「そんなことしたって臭いでばれるよ?」
「それは言わないでよ、竜ちゃーん」
レンジをスタートさせる竜に甘えるように縋りつく隼人。
「俺も手伝うからー。しゃもじ取って?」
隼人は小首を傾げて上目遣い(カズヤの必殺技)をする。
「キモイ…。はい、あんまりよそうなよ。どうせ少ししか食わないんだから」
「あーい、了解でーす」
二人でリビングのテーブルに料理を並べ終えた時、ちょうどカズヤが寝室から出てきた。
ドカリとソファーに腰掛けた隼人が
「カズヤカズヤ、俺がご飯よそったんだぜ。えらいえらい?」
ソファーの背に顎を乗せてカズヤを見上げる。
「たかがご飯よそったくらいで褒めてもらおうとすんな」
キッチンからカズヤの箸を持って出てきた竜が隼人にデコピンをして奥のソファーに座る。
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