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「はい、カズヤ。お疲れ様、ほら早く座って食えば?」
竜がカズヤに箸を差し出す。
「ん。さんきゅ」
箸を受け取ったカズヤはそのまま竜のそばには座らずに、二歩ほど下がって隼人の隣に腰を下ろした。
「?」
「?」
隼人も竜もカズヤの行動を『なんでわざわざ?』と不思議に思ったが、口にはしなかった。
母親の作った料理を口いっぱいに詰め込んでモグモグ食べるカズヤ。
今日あった事や、メンバーの笑い話を楽しそうに話しながらの食事。
が、次第に箸を口へと運ぶ速度が遅くなり、しまいには動かなくなった。
左手には半分くらいに減ったご飯茶碗。右手は力が入っていなくてプラプラと今にも落ちそうな箸。
「食いながら寝たね」
「寝たね」
二人はカズヤが徐々に睡魔に襲われ、ついには陥落していく様をじーっと見守っていた。
「疲れてんだろうね」
「だな」
竜がカズヤの手から茶碗と箸を取った。
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