第一章

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黒部は笑顔を向けながら愛花に近づいて手を掴んできた。 「愛花さん、結婚いたしましょう。」 えっ…………? 「えっ………結婚………ですか………?」 「はい。ご両親がいなくなってしまった愛花さんを放ってはおけません。約束はあなたが大学を卒業してからというものでしたが…18歳のあなたを一人にはできません。」 「…黒部さん…でも………。」 あたしは…まだ恋愛もしたこともないのに………。 「大丈夫。何も心配することはないです。私はあなたに何も不自由なしで生活させてあげます。」 「いえっ…あっ…あの、あたしはそういうわけじゃなくて………。」 そんな簡単にすぐに結婚なんてできるわけがない。 それにあたしは黒部さんが好きなわけない。 勝手にパパとママが決めた相手なんだから………。
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