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黒部は愛花から体を離すと再び笑顔を向けてきた。
でもその笑顔は作られたもので、軽蔑されてるように感じた。
「さあ、婚姻届けを書いて役所に出しに行きましょう。式は6月にしましょうか。」
黒部は愛花の手を握り車に向かって歩きながら言う。
「くっ…黒部さん…。あの……。」
「なんですか?」
黒部は顔を向けずに返事をする。
「あたしは黒部さんとは結婚はできま…。」
「ガキのくせに意見すんなよ。」
愛花の言葉は言い終わる前に黒部の言葉によって遮られた。
「まだわからねえか?お前は俺と結婚する。お前に拒否権なんざねえんだよ。」
黒部は冷やかな瞳で愛花を見下すように言い放った。
「…っ!……嫌っ…!そんなの…酷いです!!嫌です!!」
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