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「酷い?その言い方はないだろ?俺はお前みたいな子供と結婚してやるって言ってるんだぞ。」
黒部は冷やかな瞳で愛花に言った。
「…確かにあたしは親も亡くなって働けもしないから結婚すべきなのかもしれません。…でも……好きでもない人なんかと結婚はしたくないですっ!!」
愛花は真剣な瞳で黒部に訴えた。
「結婚なんかに夢見てんじゃねえよ。さっさと行くぞ。」
黒部は愛花の手を強引に引っ張り、車の中に入れようとした。
「…嫌っ!」
嫌だ!
誰か……。
誰か、助けて……!!
「その汚い手を離せよ。」
えっ……………?
愛花は驚いて前の方を見た。
目の前に突然現れたのは金髪に金色の瞳、長身で顔が整った美しい男性がいた。
金髪の男性は黒部の腕を掴んで睨み付けていた。
「君、一体なんの用ですか?」
黒部は怖いくらいの笑顔で対応しながら、掴んできた手を離させようと腕に力を入れる。
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