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私は2歳で竹刀を握った。
竹刀を振るというより、竹刀に振り回されていた当時から16年、竹刀を持たなかった日は無い。
病気で熱を出そうが、素振りだけは怠らず剣道の道を突っ走ってきた。
何故なら、我が家は明治時代から続く道場であり、跡継ぎである筈の父には剣道の素質が全く無く、一つ違いの私の弟“平良(タイラ)”もまた父と同じく素質のカケラも無かった。
良いのか悪いのか解らないが、私には剣道の才能があった。
ゆくゆくこの道場を継ぐのは私だと決められたのが10歳の時だった。
剣道の稽古と平行して行われたのが、ご先祖様が生きた時代を学ぶ事。
それは江戸時代末期、幕末といわれる時代。
祖父は、ご先祖様に関わる話だけでなく、その時代に起こった出来事や、それに関わった人々の思惑なども私の頭に叩きこんだ。
そして18歳の私は、友人から“歴女(レキジョ)”と呼ばれる幕末限定・歴史オタクに成長してしまった。
勿論、学校で学んだ歴史なら他の時代でもわかる。
でも、それは年号と出来事の名前だけ。
まぁ、“歴女”だと言われようが、小さい時から頭に叩き込まれたのだから仕方ない。
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