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「ならば一度これに着替えます」
「どうぞご自由に・・・」
「では、後ろを向いて下さい」
――ちょい待てェいや!
「ここか!ここでか!この場で着替えるんか!?」
「ははっ、冗談です。ではお借りしますね」
スタスタとワイシャツを小脇に抱えて脱衣場に戻るメリーさん。
待てよ、俺は歳上。歳上なんだよ。そうさ、歳上。
歳上をからかうものじゃないんだぞ。覚えておけぇい!
ちゅーよりもだ、今の棒読みの台詞はなんじゃらほい!?
特に「ははっ」の笑いが憎たらしいわぁ~。なんだあれ。
バカにされたよな?間違いなく。
「――と、言うわけで着替えましたよ」
「おお。早いじや・・・・」
「な、なんですか!?」
メリーさんを視界に入れた途端に全身硬直した。
言いかけたが途中で止まった。
サイズが大きいからダボッとだらしなく着飾り充分に身体を包んでいる。
丈は長く膝まである。袖は手首までではなく、手の甲まである。
それどころか逆に長すぎて、持て余しているくらいだった。
それこそ何ら問題は無いのだ。
「こうゆうパジャマがありますよね。思いの外、違和感が無く着れるものなんですね」
ほうら。当の本人であるメリーさんだってお気に召されているご様子ではありませんか。
「それにこのワイシャツの材質って、寝苦しくなさそうですね」
―――だが!しかし!
「着替えろぉぉぉぉ!」
「何故ですかぁぁぁ!」
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