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「勝手に読まないでちょうだい」
「聞こえてしまうんだから仕方ないだろう?」
「気をつけて。」
「無理だ、疲れる」
彼にとって心を読むことは息をする事と同じくらい自然な事らしい
だから彼には内緒事は通用しない。
「ほぉ、あの陰険な男とデートか…物好きだな君は」
「ユリウスを悪く言わないで」
「時計屋が羨ましいよ」
この世界は深く関われば関わるほど好意を抱いていくらしい。
「そんな顔をしないでくれ、困らせたかった訳じゃない。」
私が不安な時、ナイトメアはさりげなくだが支えてくれた。
心が読める彼には隠し事をする必要が無い、だから本当の私で接する事が出来るのだ。
「ゲホッ…ゴホ……ッ」
「大丈夫!?」
「グホッ…君がそんなふうに思ってくれているのがうれしくてついね…ガッ、ッ…」
「つい、で吐血しないで頂戴」
優しく背中をさすってやると呼吸が安定してきた。
「アリスは優しいな…」
黙って入れば幻想的な夢魔なのよね……
「黙っていれば、とは何だ!!」
ー
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