第1章:プロローグ

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(もう、今日は寝ようかしら………) PSPをスリープさせ、画面が暗くなると同時に私も瞳を閉じた。憂鬱さと共に眠気もやって来ているらしい。まぁ、元々私は夜型の妖怪なんだから昼間は眠くなるものなのだ。それは仕方が無い。 (それに、いつもなら12時間は寝ているのに今日は6時間しか寝ていないんだもの。通りで眠くなる筈だわ………) そう思い、ふぁ~、と大きく欠伸をする。睡眠が足りない証拠ね、と私は呟いた。 「ゆかりしゃま~!」 ………でも、ゆっくり寝かせてはくれないみたい。 「あら、橙。どうかしたの?」 私はゆっくりと身体を起こして居間の入り口の方を向いた。そして、随分とご機嫌な様子で私に近づいてくる橙を見つめる。 正直、寝たい。けど、まぁ子供の我が儘だと思って我慢しようと思う。 橙はどうやら余程嬉しい事があったらしく、ニコニコしながら私のすぐ脇に座った。
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