思い出した幸福

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
私がハタチの頃読んだある本の一節に、 「金にならない仕事ほど懸命にやれ」 と書いてあった。 これを読んだ瞬間は、 その真意がどこにあるのかさっぱり分からなかったが、 あれこれと経験して34歳になった今、 この言葉を反芻してみるとそこには多くの含みが隠されていると思い知る。 お金というのは確かに大切なものだが、 それはどこまで行っても手段でしかありえず、 目的にはならない。 なぜなら、 お金からは、 お金しか生まれないからである。 だから、 お金になる仕事とゆーのは、 いくら一生懸命にやってもお金を生むだけなのである。 逆にお金にならない仕事とゆーのは、 目的がお金以外のところにある。 お金以外の自分にとって大切な、 「何か」 がそこにあるからこそ、 人はその仕事に着手する。 人生にとって本当に重要なのは、この、 「何か」 なのである。 今の私にとって「金にならない仕事」というのは、 ここや他のサイトでも書いている「ブログ」、「私小説」かも知れない。 いくら書いても一銭にもならないけど、ここには確かに「何か」があると思う。 今回はナンだか青臭いコトを書いてしまったが、まあいいか。 いつものことだから。 ついでにゆーケド、 私は自分自身に期待するのと同じくらい(??)、 自分より若い世代に期待を寄せている。 金にもならないことを懸命に やろうとするバカパワーに対しては、 恐れすら抱いている。 逆に、 お金を価値判断の基準に据えている若者に対しては、 これっぽっちの脅威も感じない。 おそらくあの本を書いた人も、 同じ気持ちを胸に抱きつつ、 あの言葉を若かった私に与えてくれたのではなかろーか。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!