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「契約成立!」
そう言って、男の子はニヤリと笑った。
その瞳をよくよく見れば、猫の目のように瞳孔が細長く、耳も先が尖っている。
おまけに背には薄ぼんやりと黒い霧みたいな羽が付いているではないか。
“悪魔”
嫌な単語が浮かんだ。
私は神や悪魔や霊を否定するつもりはない。
目に見えるモノが全てだと考えるのは浅はかだと思うから。
でも、これは…もしかして…
悪魔との契約!?
そう思った瞬間、周りの景色は一転し真っ暗闇へと変わった。
前も後ろも、右も左も、上も下も…全てが黒一色で、人々のざわめきも音も何も聞こえない。
「ちょっと“地獄”まで付き合ってもらうぜ~」
どこからともなくあの男の子の声が聞こえた。
…今、“地獄”って言った…よね?
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