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「ま、待って!
そんなの聞いてないよ!!」
「ああ、そうだったな。
自己紹介がまだだった」
「じゃなくて!
“地獄”ってどう言う事…うわっ!?」
突然目の前に現れた二つの光る物体に驚いて、私は後ずさった。
「俺の名は“メフィストフェレス”。《契約》により、お前が俺の主人だ」
二つの光はあの男の子…メフィストフェレスの目だった。
目だけが宙をフワフワと不気味に舞っている。
それにしても、なんと言う「最悪」な名前だろう。
本に出てくるあの悪魔と同じ名前とは、偶然なのかそれとも本人なのか?
私はとんでもないヤツと《契約》してしまったのかもしれない。
《取引》の内容を何も聞かされないまま、悪魔に魂を売り渡してしまったのだ!
後悔しても時既に遅し。
メフィストフェレスの妙に弾んだ声が告げた。
「ようこそ!“地獄”へ!!」
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