夏の夜・孤独の空へ

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今日も窓の外 祭り囃子が聞こえる あの日の夜を今も 僕は忘れないでいる あの日 何故か誘われて 行ってみた繁華街 騙されたかな?って思ったら 目の前にいつもの笑顔 並んで歩いて回った出店や 人込みのごった返す通りも その一つ一つが全部 心の中に今もまだ… あの日 世界で一番 幸福だっただなんて 言ったら きっと君は バカだと笑うかな? 胸の奥 抱きしめたまま とうに過ぎた時間 一瞬だけど 思い出と共に 映し出してみる 街中がお祭りムード はしゃいでる君の浴衣姿 僕にはただ眩しく見えて 自然と笑みがこぼれた サヨナラした後に歩く道が 少しだけ滲んで見えた いつもの日常に戻るのを 恐れてたんだ 僕は… 今も時々あの時間が 夢だったんじゃないかと 思うけど でも此処にはまだ あの日のプリクラが… 一人 あの日と同じ 満月の空を見上げ 思い出 フラッシュバックして 涙がこぼれた 何となく 回想電車でも 考えてしまったんだ もう僕には 永遠の孤独が 待ってるんだって あの日 世界で一番 幸福だったんだって 例えば それが幻でも 真実でしかない 今宵も また夜が来た 夏空の下思い出す 笑顔の君が 大きく手を振った あの瞬間―。
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