雨のダンサー

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車のライトに照らされた ガラスのように突き刺さる雨に 被害者気取りの売女が 青白い顔を血みどろに 歩いてく 誰にも分からぬ苦しみを 分かって貰うなんて無駄だと 分かっていながら今日も独り 繋がりを求め 彷徨い続ける いつの間にやら 此処は何処? 温もりすら感じられない あてどなく歩いても草臥儲け もういっそこのまま狂人となれ Let's dancing in raining どうせ苦しむしかないんなら 例えどう周囲に思われても 何一つ関係はないのさ Let's dancing in raining 散る花はただ美しく 咲き乱れそして散って行く この都会の喧騒の中 スリップだけがただ鮮やかに 明る過ぎる夜に浮かび上がって 薄気味悪い見映えと知って それでも女は踊り続ける 泥だらけになった裸足の裏と 色の褪せた半端な ペディキュアが その女の苦しみをただ唯一 壮絶に物語っていた Let's dancing in raining ふとして過る負の感情を ただ振り払うように激しく より一層激しくなって Let's dancing in raining 哀しみの涙に濡れた花 散る間際の美しさだけを ただ脳裏に焼きつけて 昨日の雨が嘘のように 晴れ渡ったとある繁華街 胸に一輪の紅薔薇を 刺したまま女は倒れていた 目を閉じたその白い顔は 心なしか微笑んでいた まるで今までの苦しみ等 笑い飛ばしていたかのように Let's dancing in raining 一夜限りに咲く花は 枯れるその前が美しい そう感じさせてくれたね Let's dancing in raining 今夜もまた雨だってさ きっとあなたはこの場所で 今もまだ踊り続けるだろう
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