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消せない心の傷跡を
指先でそっとなぞってみる
誰にも言えない悲しみが
今もまだその場所にはあって
何をする訳もないのに
ひとりぼっち そこに座り込み
何処までも広がり行く
蒼い水平線 ぼんやり見てた
握り締めたナイフの向かう先
見失ってしまったのは何故?
繊細過ぎた少年の心は
夜の深い闇で迷ったまま
現実世界のラビリンスで
考える時間などなくて
結局は社会に適応せず
冷たい視線の的になる
ああ 誰のせいにもならぬ
この心に刻まれた傷を
隠して結局生きてるだけ
自分に嘘をついたまま
誰かがくれる優しい愛も
全てを嘘なんだと信じたまま
無関係な人まで巻き込んで
結局 自分も痛み分け
死んでしまいたいと何度も
思ったのに実行は出来ない
矛盾する感情に板挟み
どうしたら良かったの?
振り返るとその場所に
あの日の少年がいた
誰も知る由のない悲しみ
背負うのに疲れたよと
笑えない筈のその顔で
無理な笑顔を作ってみせた
だけど目だけは変わらぬまま
冷たい視線送ったまま
無表情な繁華街には
今日も様々な思いが交る
その群れに紛れたまま
誰にも気づいて貰えずに
十字架を背に希望抱く
愚かしい少年の姿
「でも、信じたいんだよ。」
全ての痛み抱きしめたまま
少年はまた一人歩き出す
そこには僅かだけど確かに
強さが漲っていた
暗闇の中光る満月が
いつの間に空高くあって
見えない世界へと歩き出す
誰かさんを見守ってる
わたしも また 歩き出す…
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