焦る不器用と笑う腹黒-kunisaki side-

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うんうんと唸っている俺に圭はふう、と息をつくと、顔を合わせてきた。 「…まあ、何かの間違いだってのはすぐ分かりましたけど。」 「っじゃあ、那津にそう言ってくれりゃよかったじゃねぇか!!」 「何を言えって言うんですか。 『聖悟を信じて。彼はそんなことする人じゃないです』? 俺は、そこまで聖悟のこと知ってるわけでもなければ、信用もしてないんですけど。」 ぐさぐさ。 …い、痛い。 圭の言葉の棘と冷ややかな視線がつき刺さる。 あれ、俺、こいつの友達だったよな? 何この圧迫感。 少し気分がオチかけていると、 圭はコホンと咳払いをし、 とにかく、と言葉を始めた。 「…弁解する相手は俺じゃないでしょう。」 「…ん、ああ、うん。 そうだな。また言うことが増えた。」 ―むしろ言いたいこと、聞きたいことがあり過ぎて、 果たしてまとめ切れるのか、疑問だ。 …でも、とにかく。 会って話さないと始まらない。 静かに腰を上げた俺に、圭は微笑みを返した。 「ま、頑張ってください。あちらも案外気にしていないかもしれないですし、ね。」 ……や、それはそれで、傷つくが。 「…ありがとな、圭。」 彼の最後のセリフに苦笑を洩らしながら 俺は部屋を後にした。 .
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