つきあいました。①

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「本城さん。」 「ちょっと」 「いいかしら?」 「(………すげぇ)」 高低組み合わさった、お譲様方の見事なハモリに驚嘆の限りです。 いっそハ●ネプ出てこい。君ら。 ―― みなさん、御機嫌よう。 本城那津です。 国崎 聖悟という恋人ができてから一週間。 やはりというか、予想通りというか。 男の方が有名すぎるので、カップル成立の噂が回るのはあっと言う間で。 ―――で、現在。 私は、陰険なお顔の女子の方々に囲まれております。 …まあ、これもある種予想通りだけどね。 うふふ。 「…ちょっと、聞いてるの!?」 んー、どうしよう。 ここで聖悟と待ち合わせだったんだけど、この女子壁で見つかるかどうか。 「返事しろよ、このブスが!」 ああ、でも逆に目印かな。分かりやすいって点で。 問題はヤツの方か。この中に入ってこれるのかっていう。 意外とへタレだしなぁ聖悟ってば。 「っ!聞・け・よ!!」 一番前にいる女子に、ガッと胸倉を掴まれる。 同時にスポン、とイヤホンが私の耳から滑り落ちた。 「……あ。ごめん聞いてなかった。」 「っこいつ、MP3で音楽聞いてやがった!?」 「なんて強者なのっ!?」 途端、ドヨッとざわめくメス共。 …ん、いや。 単なる雑音シャットアウト手段だったんですけどね。 私は仕方なく彼女らの方へと目線を向けた。 「…それで、何の用なんですかぁ?」 この問答も何回繰り返したことだろう。 呆れつつも律儀に聞く私ってすごいと思うよ? .
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