つきあいました。①

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びっくりした私とヤツの目が、あった。 ―私を否応なしに動けなくさせる強い眼差し。 今回も例外ではなく、私はカチンと固まってしまった。 「那津………」 甘い声を含ませながら、聖悟の顔が近付く。 びくっと体を震わせてしまう私。 思わず目を閉じると、額に柔らかな感触が降ってきた。 そして、短いソレが離されると、三日月の形に歪んだ彼の唇から言葉が紡ぎだされる。 「…愛してる。」 「……っ」 耳元に残る甘い吐息が私をおかしくする。 赤い、暑い、熱い。 もう、完全にノックアウト、だ。 ふしゅーっと、全身の力が抜けた私は軟体動物のように、くたりと男の肩にもたれかかった。 それを聖悟は片腕だけで支え、運転を続行する。 「可愛いなぁ、那津は。」 「…も、そんな、ことばっか言うから……っ!」 心臓が、持たねぇ。 ドキドキバクバク、今日も活発な私の左胸は『慣れる』ということなんて知らず。 ―どんどん、堕ちる。 「じゃ、行くか。」 「………」 ―もはや、何も言える状況じゃない私。 半ば諦めの気持ちで嘆息し、素直に腕の温もりに身をまかせ、外をながめた。 車は、恋人たちを乗せ、快調に走った。         END
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