雨夜

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待つ事もなく追っ手はやって来た。 黒い影が…十人。否それ以上か。 「ずいぶんと大掛かりじゃねぇか。」 刀を一分の隙もなく構えながらも、のんびりとした口調で土蜘蛛は相手に声をかけた。 「土蜘蛛。貴様…どういうつもりだ。」 黒い影の一行から、男が一人が進み出て唸る様に言った。 背の高い痩せた姿を、忍び装束に包んでいる。 どうやら、この男が率いているらしい。 他の影達は従う様に後方に控えていた。
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