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「なんのつもりも、ねぇよ。」
「ふざけるなっ!」
相変わらず人を食った土蜘蛛の態度に、男の激昂した声がかぶさる。
「ふざけちゃいねぇよ。」
ますますのんびりした声で土蜘蛛は続けた。
「飽きたのさ。忍びってやつに。」
「貴様…!!」
男の体が、その怒りに呼応して急に大きくなった様に見えた。
「まぁ、そう怒るなよ。
勘蔵、あぁ今は百舌だっけか。」
百舌、と呼ばれた男はジロリと白眼を光らせて土蜘蛛を見ている。
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