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「百舌、お前さんが追って来ると思ってたよ。」
後ろでそれを聞いていた、おようは微かな含みを土蜘蛛の声音に感じた。
「お頭は、今戻れば許してくださるそうだ。」
百舌の声は、その怒りとは裏腹に沈んでいる。
「許す…って言われてもなぁ。」
土蜘蛛はやれやれと言わんばかりだ。
「飽きちまったもんは、しょうがねぇしよ。」
「土蜘蛛…たいがいにしろ…。」
百舌の体はますます怒りで膨れ上がった。
ジリジリと間合いが詰まっていく。
百舌の後ろに従う影達も、土蜘蛛とおように迫って行く。
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