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『…俺が跳べと言ったら此処から跳べ。』
おようの耳に土蜘蛛の声がすべりこむ。
激しい雨音と川の轟音…雷鳴まで混ざっていると言うのに。
相手は気付いていない。
おようも頷く様な馬鹿な真似はしない。
くないを構えたまま、身じろぎもしなかった。
「土蜘蛛。これが最後だ。戻れ。」
百舌の眼は、憎しみさえ秘めた殺気を帯びている。
「そいつは出来ねぇ相談だな。」
土蜘蛛がニヤリと笑った。
明らかに挑発している。
雷鳴が更に近くなる。
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