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「ぎゃあぁぁぁっっ!!」
雷に撃たれた影達から絶叫があがる。
百舌は、あの瞬間に後ろに跳びすさり身をかわしていた。
その百舌の耳に遠く崖の下から、土蜘蛛の声が届いた。
「お頭に、よろしくなぁ。」
百舌はギリギリと歯を噛み締めた。
土蜘蛛への憎しみで全身が震えた。
「百舌様。」
雷を免れた影の一人が足元に控える。
「わかっている。追え。」
百舌は奥歯を噛み締めながら言った。
「俺は、お頭に報告せねばならぬ。」
百舌の言葉に影達が散った。
辺りには、雷に撃たれた影の肉の焦げる臭いがしていた。
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