雨夜

6/21
前へ
/73ページ
次へ
「来やがったな…。」 土蜘蛛が呟いた。 その口元が笑いの形に釣り上がっていくのを、おようは見ていた。 「行くぞ。」 土蜘蛛の言葉に頷くと、おようは後に続いて再び走り出した。 その姿は敏捷な若い獣の様だった。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加