再開の味

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「美鈴……?」 「うん、美鈴」 ……ん? 「あの、俺が知ってる金子美鈴とは同一人物ではないと思うのですが」 「なっ!?き、君は小早川圭亮だろう?」 「……本当に美鈴?」 「だ、だからさっきから私は美鈴だと……」 「ええぇぇぇ!?」 「……ッ!」 目を見開き、俺の絶叫に近い驚愕の声に驚く自称(?)美鈴。 「美鈴……?本当に、美鈴?」 「美鈴……だよ」 俺が何度も聞き返したのが悪いのか、彼女も自分が美鈴だという事に自信が無くなってきたようだった。 それと、少し不機嫌そうにも見える。 当たり前か。覚えてなかった上に、いきなり叫び声上げるんだからな。 「ひ……久しぶり」 「む……忘れてたな?私の顔」 「いや……あの、美鈴……なの?本当に、俺の幼なじみの美鈴なの?」 「さっきから何回聞いてるんだ?私もそろそろ自信が無くなってくる……」 「いや、だって美鈴……成長し過ぎじゃない?身長にしろ顔つきにしろ……髪も伸びてるし」 未だに信じられない。 今目の前にいる清楚系女子高生は、どうやら俺の小学生からの幼なじみのようだった。 一つ年上で、勉強でわからない所があると言えば答えを用意していたかのようにあっさり答え、運動も普通の人より出来る事が殆ど。 何でも出来るくせに泣き虫だから、俺は時々彼女を泣かせてしまっていた。 実の姉より俺の姉っぽかったから、恥ずかしながら俺は彼女に甘えっぱなしだった。 「君がいなくなってから2年近く経ってるんだ。成長して当たり前じゃないか。……というより、私は圭亮の身長の方が驚きなんだが」 そう言い、首を傾げながら俺の頭辺りを見上げる美鈴。 俺の今の身長は183㎝だ。 普通の高校生からしても、でかい方に入るだろう。 「中学の時から170あったが……順調に成長したみたいだな」 「美鈴もね」 いや……本当に。 いろんな所が出たり引き締まったりしてね……うん。けしからん成長しちゃいやがりましてね、もう。 「今どこを見てた?」 「え?ぜ、前鋸筋から大胸胸にかけて少し……」 「む?」 すみません胸という名の双子山です。 「それにしても……本当に大きくなって」 久しぶりに会った故郷のお母さんみたいな事を言う美鈴。 なんか恥ずかしいな。
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