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「愛してる」
それしか言えない私の彼氏は、もう限界。私は何も感じてない。でも、演技は得意なの。という君が愛おしいよ。今寄せてる眉間の皺も、僕の髪を掴む君の手も、薄い唇から微かに見える赤い舌も、全部、僕の為のものなんだよね。今は。今だけは。
「もう、限界なの」
何回も限界だと伝えても、あなたは愛してると呟いて微笑むだけ。お願いだから私を離して、愛おしそうに私を見つめないで、私はもう限界なの、頑張れないの。あなたの嘘なんてとっくに気付いているから。あなたの声が、聞こえないの。
「白い肌が、綺麗だね、僕の為に紅潮する肌が綺麗だね、綺麗だ。」
でもあなたが見てるのは、私じゃないの。なんて可愛いことを言う君を愛しているよ。そう言って僕を惑わしたいんだろう。解っているよ、僕が好きなんだろう、好きすぎて吐き気がするんだろう。愛してる。愛しているよ、もう、君しかいないんだよ。君しか、君しか、君しか、いないんだよ。
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