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grasp
特別な存在になりたくて
都合に引き込んでばかりいた
あなたはすっかり疲れ切って
夢さえ見れなくて
窓へと激しい雨があたる
あの夜を境に目を閉じた
降りしきる雨なら泣き顔も
見られないはずなんだ
こうしてふたりが
はじめた恋へは
二度と戻れなくなった
蓄えておいた想いを全部
声には出来なかった
残された一握りの言葉が
静かに消えてゆく
やみくもになってはいけない
卑屈にもなってはいけない
孤独の夜に見つけた星は
誰にも話しちゃいけない
こうしてふたりは
はじめて恋へと
何も持たず駆け出した
最高の天気予報の朝に
気まぐれな雲がゆく
それを微笑ましく見送った
待ち合わせの場所
こうしてふたりが
きざんだ恋へも
ちゃんと表紙はつくのでしょう
蓄えておいた想いを全部
声には出来なかった
残された一握りの言葉を
静かに消してゆく
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