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……決して自分が嫌いなわけではないけれど。時々どうしても沈んでしまう。周りに引けを感じてしまう。彼の周りを取り囲む人々が、あまりに煌びやかに輝いているから。
シスターは著名な盗賊団の元団員で、ルスランからロストテクノロジーを大量に分捕ってきた英雄だ。マリアベルも、超一流の魔導師で、その癒しの才能で戦闘のみならず後援としても力を発揮している。王君の功績などもはや述べるだけ無駄だろう。
(では、俺は?)
グスタフのような経験も、ミラージュのような桁外れの戦闘力があるわけでもない。会議にいたって、他の者とは違ってまともな助言すらできやしない。云えるのはいつも当たり前なこと――普通な、平凡なことばかり。
苛立たしくて、腕を振り下ろして寝具を叩くと、それは大した抵抗もなく彼の形になる。それに彼の心は更に重みを増す。
(こんな上質なものにくるまれるだけの代償を――働きを、俺は――?)
答えが出ないまま、彼はいつしか眠りについていた。
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