魔王歴136年 2月15日

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 森を抜けてから数分で村の入り口までやってくる。 「魔王だ~!!」 [魔王は村の子供達に遭遇した]  村に入るなり村の子供、アンナ、ポナン、ナタンに出くわした俺こいつら苦手。 「悪い魔王め! 今日こそやっつけてやるー!」  調子にのったガキンチョ共は石を投げ付けてくる、俺は紙一重でかわし、右手を前にだし親指以外の指を立てて自分の方に二回まげかかってこいと挑発する。 「魔王のくせにー!」  怒ったガキンチョたちは木の棒をもって駆け寄ってくる。 「やれやれ」  溜息混じりに風の魔法で、ガキンチョを宙に浮かせ近くの屋根の上に降ろす。 「そこで反省しな」 「お前なんか死んでしまえー!」  ガキンチョ共は、負け犬の遠吠えを吐きながら泣き始めたが無視して村の中を歩き始める。 「魔王様。お久しぶりでございます」  いきなり呼び止められて振り向くと、そこにはシスターのエレナが綺麗な金色の瞳で俺を見つめている。  久しぶりって一週間ぐらいしかたってないような。 「ああ。久しぶりだなエレナ」  でも、エレナの無垢な微笑みにそんな事いえなかった。
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