魔王歴136年 2月15日

4/6
前へ
/119ページ
次へ
「一日遅れですが、これをどうぞ」  エレナはハートの形の箱を差し出し、俺は礼を言って受け取る、一日遅れってなにが一日遅れなんだ。 「あけてもいいかな?」 「え!? 今開けるのですか?」  なぜかエレナは頬を染め恥ずかしそうにしている。  わけがわからん。 「じゃあ、城に帰ってから開けるよ」 「はい」  エレナはホッとしたような表情の後、満面の笑みを浮かべている、俗にいうシスター萌えというやつだな。  だが、この一連の行動のわけがわからん。 「鈍感魔王」 [ニブチン魔王]  アイナがすれ違い様に俺をけなし、それに便乗してナレまで酷い事を言ってくる。  アイナは傷心の俺に見向きもせずに村長の家に入っていく。 「魔王様も参りましょう」  エレナは俺の右腕にしがみつき村長の家に誘導する、エレナの柔らかい感触が心地よかったなんて考えていると、アイナがいないのにも関わらずアイナの殺気を感じる、まじ怖い。  アイナに続き俺とエレナは村長の家に入る、村長の家は質素で、必要最低限の家具以外は何もかなかった。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加