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魔王として誕生して七日目、魔王の規則に従い今日から日記を書くことにする。
今日の夕方頃に、今年で千三歳になるアメーバモンスターのララライに呼ばれた。
魔王城の横に昨年作られた腐臭の漂う沼地にある魔王の洞窟、その一室にララライはいる。
日記を書いたり、城の状況を把握したり、挨拶をしていない城の住人にも会わなきゃいけない、何かと忙しい俺であったが初代魔王からお世話になっている占い師のララライに呼ばれたとあってはしかたない。
「さあ。魔王様行きますよ」
ピンクのスーツで身を固めた秘書で人間のアイナを連れて、沼地の洞窟の中に入る。
何を好んでこんなヌメヌメして居心地の悪い洞窟なんかに住んでいるのやら、所々で緑色の光を発している苔が、薄気味悪さを三割増しにしていたのは間違いない、そんな最悪な場所に綺麗な粉雪が舞っていたのは謎だ。
「この洞窟は気持ちが悪いな?」
黙って歩くのもつまらないので、腰ぐらいまである長い金髪を、赤い紐で一つにし揺らしながら先を歩く秘書アイナに、軽く話を振る。
「魔王のくせになにいってるんですか」
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