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冷めた感じの表情で俺を見るアイナの口から出てきたのは、予想を百八十度回転させた身も蓋も無い返答だった。
というか魔王って呼び捨てですか、注意したかったがアイナの鋭くなった目つきが怖くて何も言えなかった。
何も会話が無い気まずい状態のまま洞窟内を歩くこと数十分、洞窟の奥に入れば入るほどジメジメの度合いが酷くなり、空気が薄いのか息苦しくなってくる。
我が秘書アイナは、いつの間にかバイオテロ組織がウイルスを取り出すときに着ているような細菌防護服に着替えており、背中に背負っている機械は空気を吸ったり吐き出したりする音を洞窟内に響かせている。
擬音にするならシュコー、シュコーって感じかな。
「いったいそれ、どこに持ってたんだよ」
ここは一つ、つっこみを入れておかなければ。
「シュコー、シュコー」
[魔王は無視された]
どこからともなく魔王オプションの一つ、ナレーションが流れる。
以下ナレと呼ぶ。
「おいおい、魔王様を無視かよ?」
無視はいけませんよ無視は。
「シュコー、シュコー」
[魔王は無しされた]
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