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でもね…喋れなくても私にも意思はあるの。
小さい頃はこの娘と意思の疏通はあった。
『今日は良い天気だよ』
『…ちぃちゃんと喧嘩しちゃった。』
『あのね、好きな子が出来たの!』
その日にあった事や両親に言えない話とか色々私に話しかけてくれていた。
この娘が大きくなるつれに私もゆっくりと少しずつ大きくなっていた。
何故親が気付かなかったか?
まずどうも痛みを感じなかったのと
この娘の両親は忙しくお手伝いさんに任せっきりにし
お手伝いさん達も仕事で接すると言う以外にこの娘には何の感心を持たなかった。
そしてこの娘は小さい頃から名家のお嬢様らしく良い子でいる事を求められ、
親達に振り向いて貰う為にも弱音を吐かずに頑張り続け私の事を話せなかった。
何時もこの娘は孤独だった。何時もこの娘は寂しがっていた。
だんだん私とも話す事が少なくなって来た時に、
私を疎ましく切り離したいって思ってしまう事が起きた。
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