私が産まれた日

5/10
前へ
/50ページ
次へ
『お前の結婚が決まったよ。』 珍しく父親の声。久しぶりに聞いたな。結婚…ってまだ17歳になったばかりだよね。 この娘クラブとか言う所のOBだかセンパイ?とか言う好きな人いたはず。 『うちにとって申し分ない相手だ。』 『…お相手はどちらの方ですか?』 『亞狗土財閥の次男の満汰さんだ。これで我が家も安泰だ。』 あぁ、何だろうこの感情。 何時も感じている孤独感よりも 初めての発表会で緊張でうまくピアノが弾けなくてこの父親に 『うちの名に恥をかかせるのか!』 って怒られた時よりも…苦しい。 やめて、心臓が激しく動いて身体中に音が凄いよ。 亞狗土…亞狗土ってたしかそのセンパイと同じOBでやたらこの娘にちょっかいを出してて 亞狗土の声を聞くとこの娘凄く嫌がっていた。 何故? 『何故ですか?』 私達の気持ちが久しぶりに重なる。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加