195人が本棚に入れています
本棚に追加
病気を持った鼠はまっすぐ西天野川村にたどり着きました。
その数は千余り。
その集団は、黒い絨毯が動いているようでした。
彼らの目の前に、黒い着物を着た黒曜が立ちふさがります。
「旅の鼠さんたち、何しに来た?」
鼠たちは口々に答えます。
「仲間がコロコロ病気で死ぬ」
「仲間の為に良いものを食べさせたい」
「体に良さそうなものを片っ端から食べている」
と。
黒曜は目を細めて笑いました。
「それなら、いい村がある」
最初のコメントを投稿しよう!