<<鼠の章>>

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病気を持った鼠はまっすぐ西天野川村にたどり着きました。 その数は千余り。 その集団は、黒い絨毯が動いているようでした。 彼らの目の前に、黒い着物を着た黒曜が立ちふさがります。 「旅の鼠さんたち、何しに来た?」 鼠たちは口々に答えます。 「仲間がコロコロ病気で死ぬ」 「仲間の為に良いものを食べさせたい」 「体に良さそうなものを片っ端から食べている」 と。 黒曜は目を細めて笑いました。 「それなら、いい村がある」
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