<<鼠の章>>

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「炊きたての香りは冬眠中のクマも空腹で目が覚める程で、口にほおばれば豊かな香りが広がる」 鼠たちはつばを飲み込んで黒曜に見入りました。 「また、味も噛めば噛むほど甘く広がる。いつまでも口に入れておきたいような米さ。病気に効かないわけがない」 鼠たちは相談をし、そして黒曜に言った。 「病気の鼠だけではなく、身重の鼠もいるんだ。その村への近道を教えて欲しい」 黒曜はにやりと笑い、答えました。 「もちろんだとも。旅の鼠さん」
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