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『お前には努力が出来ないのか』
そう書いたメモのページを破りとり、押し付ける。
そのまま少女の体ごと突き飛ばすようにして、ドアを閉めて鍵をかけた。
もう、体調のみならず気分も最悪だ。
なにがなんでもできる、だ。
なにが幸せ、だ。
なにが、なにが願いを叶える、だ。
ズルして掴みたい栄光じゃない。
そんなこと、願ったりなんかしない。
あいつは自分を天使だと言った。
ああ、確かにお前は人間じゃないな。
人で無しだよ。
余計な手出しなんかしてみろ。
お前の鈴は銀色のままだ。
俺を幸せになんかできない。
体の不調が紛れるほどにむかついた。
怒りに煮えた頭を冷やすように、冷たい水を喉に流し込む。
もう忘れよう。
これは悪い幻覚だ。
悪夢の前にとった行動と全く同じだが、ベッドに体を委ねると、そのまま落ちるように眠ることができた。
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