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夏の暑い午後、南中高度は最高なんじゃないかと思うほど太陽は照りつける。
グラウンドの横道を、汗を拭いながら歩いていた私はボールが飛んできていることに全く気がつかなかった。
「危ない!」
反射的に身を屈めた私の1メートル先に野球ボールが落ちる。
「ごめん、大丈夫だった?」
そう言って私に手を伸ばす。
「あ、大丈夫です。私こそすみません」
「そっか、よかった。」
顔を上げると、もうあなたは私に背を向けていた。
顔は見えなかったけど、ライトへと走っていくあなたの背中は、今まで見た何よりも輝いていた。
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