Prologue

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外ではかれこれ一時間も雨が降り続いている。 雨に濡れる窓ガラスが、 ざあざあという雨音が、 僕の憂鬱を駆り立ていた。 「あー…憂鬱だ。」 思わず呟くと、目の前のソファでケータイをいじっていたそいつが顔をあげる 「そういうこと言わないでよー、こっちまで沈んでくるじゃん!」 口を歪めて、欝陶しそうに長い黒髪をかきあげる。 邪魔なら切ればいいのに なんて野暮な事は言わない。 言ったら余計不機嫌になるのは明白だったし 何より嫌われるのは怖い。 僕も丸くなったものだ。
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