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「そろそろ…戻ろうか。」
上を見つめて彼女が言う。
彼女の表情はよく見えない。
ただ、
「雨は、嫌いなんです。」
吐き出すように呟いた言葉だけが印象に残っていた。
それでも僕はさして気にせず
「僕は好きだけど。」
それだけ答えて、踵を返し出口へと向かう。
ちょっとそっけなかったかな、なんて反省して、追いついてきた彼女に手を差し出し
「お手をどうぞ、My friend」
僕なりに彼女を笑わせようとしたのだが、
彼女は無言で手をそえただけだった。
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