告白

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俺が状況を理解する前に、藤ヶ谷は低い小さい声で(普段からは想像もできない声だ)耳元で、囁いた。 「我慢できなくなる、」 一言。それを言って自然と離れた体。 今までみんなの前じゃ何もしてこなかったのに、抱きついてくるなんて藤ヶ谷らしくない。 楽屋ではみんなそれぞれのことをしているといっても、おかしいと思わない訳がないのに。 それにこんな声。俺のが調子狂うっつーの。 「藤ヶ谷。ここ楽屋」 「俺、もう無理」 「は?」 何が無理なんだ。と問いかける前に、藤ヶ谷は俺の目をじっと見て、逸らしたと思えば、深呼吸をひとつ。 そしてまた、俺の目をじっと見つめる藤ヶ谷。 少し厚みのある唇から発せられたのは、とんでもないことだった。
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