第二部 七話 夢ノ中デ

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時間ばかりが過ぎてゆく中、やっと口を開いてくれた。 「…僕の名前は、六ヶ辻 雲羅<ロクガツジ ウンラ>です。この村の悪夢を見にきました」 「悪夢を……?」 「はい」 雲羅と呼ばれる男の子は、はっきりとそう言った。 (…悪夢を何故しっているの? 怪しい…) 桜は心の中で、そう呟いた。 「あはは、何故って? それは、僕も悪夢の化身のひとつだからだよ」 「……!!」 桜は思わず、一歩下がってしまった。 (…何で心の中が読めるの? そして、悪夢の化身って…!) 心の中を見透かされて、動揺を隠せなかった。 雲羅は口元を歪めると、心を読んだかのように笑った。 「…はは。僕の悪夢の力は人の心を見透かすことだよ。いくら読まれないようにしても無理だよ」 雲羅ははっきりとそう言った。その言葉の意味は誰にも、わからなかった。
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